浄土宗とは

浄土宗とは

浄土宗とは

浄土宗は、法然上人(ほうねんしょうにん)を宗祖と仰いでいる宗派です。
どこにいても、なにをしていても南無阿弥陀仏をとなえよ、とすすめておられます。南無阿弥陀仏と口にとなえて仕事をしなさい、その仏の御名(みな)のなかに生活しなさい、と教えられています。
法然上人の教えは、今生きることによろこびを感じることであります。

法然上人

法然上人

法然は、平安時代末期から鎌倉時代初期の日本の僧です。
はじめ山門で天台宗の教学を学び、承安5年(1175年)法然43歳の時、専ら阿弥陀仏の誓いを信じ「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、死後は平等に往生できるという専修念仏の教えを説きました。これが浄土宗の立教開宗の年とされ、のちに法然は「浄土宗の開祖」と仰がれました。

浄土宗の作法

作法とは、まごころのかたちです。

「亡くなった人を想う気持ち」は、かたちとして見えるものではありませんが、確かに存在するものです。その想いを、私たちは「作法」で表します。
古くから伝えられてきた大切な「作法」を身につけ、まごころをご先祖様に届けましょう。


1・合掌(がっしょう)

「合掌」は手のひら(掌)を合わせることです。
浄土宗では指をまっすぐにそろえ、両手をぴったりと合わせるかたちをとります。このかたちは、右手を阿弥陀様、左手を自分とし、我が身を阿弥陀様にお救いいただく願いが込められているとも言われます。阿弥陀様に我が身を託し、往生を願うという浄土宗の教えを体現しているかたちと言えます。

■自然で美しい合掌を■
合掌の際は、指と指の間が開かないように注意しましょう。数珠は両手の親指にかけ、房を手前に垂らします。
このときに注意したいのは手の角度です。目安としては胸から45度くらいの角度が最も美しく自然に見えます。
合掌した手と胸の間には、こぶしひとつ分ほどの隙間を開けます。


2・数珠(じゅず)

数珠は「数える珠(たま)」と書くように、お念仏を唱えた回数を数えるための仏具で、念珠とも言います。
浄土宗では一般的に、輪を2つ組み合わせた数珠を使います。
合掌の際には両手親指に2つの輪をかけ、房は手前に垂らします。


3・袈裟(けさ)

仏教の教えを信じ実践する人たちの服装です。
お釈迦様の時代は、汚れて捨てられた布切れを集めて洗い清め、一般の人たちが身に着けない赤褐色に染め、裁断してから縫い合わせて1枚の布にして身に纏いました。「袈裟」とは、その赤褐色を意味する古代インドの言葉「カシャーヤ」の発音を漢字にしたものです。
ご自分専用の袈裟を用意し、お参りの際に身に付けるように心がけると、まごころがより一層伝わるでしょう。


4・焼香(しょうこう)

お香は「悪臭を消すもの」として古代インドで重宝されていましたが、次第に「身と心を清らかにするもの」として仏教に取り入れられるようになりました。それが中国や日本にも伝わり、今のかたちになりました。
また、「仏様の使者」とも言われ、私たちの想いをお香に託して届けるという意味も込められています。

■焼香の作法■
まず、焼香をする前に合掌し、浅く礼をしましょう。
次に右手の親指と人差し指、中指でお香をつまみ、左手を下からそっと添えます。そのまま眉間の高さほどまでいただき、お香をゆっくり灰にくべます。
もう一度合掌し、お念仏を十篇となえます。
最後に浅く礼をして、焼香席をゆずります。
お香が指に残ってしまった場合、つまんだ指で軽く落とすようにしましょう。お香は仏様に捧げる清らかなものですから、両手で大げさに払い落とすことはやめましょう。